小学英語で習いたい内容-その4

聴く力をつけるには-1

2009年度新井小6-3
2009年度新井小6-3

■このスナップの授業では、「いくつかの動物が隠れている絵」が掲示されています。一見、普通の公園の絵です。

 

■子どもたちは、「何をするんだろう?」と、「私の英語での指示」に聴き入っています。私は、黒板の絵に向きなおり腕組みして、 "Hum… I can see [a lion]…子どもたちの方に向き直って、"What animals can you see? Can you see [a dog]?"... などと「発問」します。日本語の指示は不要です。「僕、私だけが、見つけた!」という優越感をくすぐりながら、「英語での発問」に集中させています。 この場合、“Rabbit!”, “Panda!”… のように答えは一語でもいいのです。私は首をすくめて、 “Where is Rabbit? Come here and touch.”…と、色んな指示と答え方の英語が飛び交います。「聴く、話す」はコミュニケーションの両輪です。

 

■自分自身を省みて、「なぜ、英語でのコミュニケーションが好きになったのか?」と自問してみました。私の中3当時、昭和39年は、日本中、高度経済成長の高揚感に満ちていて、英語学習の世界でいえば、オリンピックで通訳をする人たちの誇らしげな姿が、まぶしかったことを覚えています。その年の夏休み、二人の友人と一緒に、「野尻湖外国人村」へ探検に行きました。日本語を使えない場所でしたから、あれほど「聴く」ことに集中したことは、初体験でした。「3年間学習した英語が通じるかどうか?」試したかったのです。(www.shihoya.comの、目次「新井有線放送」:2007年9月#2放送~参照)

 

■教室の生徒には、「好奇心を持って、進んでチャンスを求めてほしい!」と、妙高市主催の海外研修やホームステイなどに積極的に参加するように勧めています。

 

■つまるところ、「聴く力がつく」とは、「聴きたい欲求度の大きさと、集中力の持続」です。赤ちゃんが初めて発する、「ばあ」、「だー」…のような、喃語(なんご:babbles)の場合、一番鋭い聴き手は、母親でしょうね。母親は、「聴きたい」、「聴き分けなければ」と、自然に赤ちゃんの発する「ことば」らしきものに、全神経を傾けますね。そうです。「たまたま英語」なだけです。

 

■上段構えで、「聴く力をつけるには」と考える前に、「自分が一番聴きたい話題」を教材として探せばよいことになります。私の知人に、映画:「タイタニック」を数十回、英語で鑑賞している方がいます。彼女が鑑賞し始めたころ、「英語で聴いているの?」と尋ねました。「日本語の吹き替えでは、偽物を見ているようでつまらないし、デカプリオの、直の声の方がいいわ」でした。

 

■私の教室の3歳児クラスでは時々、Baby-Mickey & Minnie などの絵本を使って、「英語でのお話し」をします。その子に合った、興味が持てる素材が大切なことは言うまでもありません。具体的な極論を…英米人と恋におちたら、間違いなく、「英語を聴く力がつく」こと、請け合います!(笑) 次回は、学校での「聴く力をつける指導」で留意したいことを書かせて頂きます。

2010.12.29 上越タイムス
2010.12.29 上越タイムス