#20 最終回:教えながら学ぶ指導者に

3月31日(木)掲載
3月31日(木)掲載

連載最終記事「小学校英語活動の今後は」#20掲載を終えての感想

 

■連載初回掲載が、2009年4月9日でした。2008年10月から新井小英語活動アドバイザーとして、当時の5,6年生対象に教案作り、学級担任、ALTを絡めながら私が信じる児童英語学習理念を展開する貴重な機会をえました。この奉仕活動も2年余り経った今日で終了しました。

 

 

■新井小での活動の機会を与えて下さった古澤校長始め、この活動記録を連載記事として取り上げて下さった上越タイムス妙高支局長の関原様に謹んでお礼申し上げます。

 

 

■教育者が10名いれば文字通り十人十色 (So many men, so many minds.)というだけあって、学級担任が英語教育の素人であっても、公教育の実践者として大きなプライドがあり、また、教育委員会もしかり、それを指導する指導主事、教育長、更にはその助言者的立場の上教大H教授…といった具合に私の実践は俎板の鯉のごとく、良くも悪くも批評・批判の矢面に立たされた得難く、面白い2年余りでした。

 

■私の英語教育理念は、LL シホヤ新井教室のそれと同じく、「使える英語力を身につけるために、英語でイキイキパワーを育みます。」です。子供たちがいずれ英語で何かを表現しようとする時、他人を巻き込んだなかでの豊かな自己実現 (私は、これを「自灯明」と名付けています。) を目指すことになってほしいのです。

 

■日本の、先進諸国の中での「使える英語力」の低さは、韓国、中国からも呆れられるほどの低さです。文科省の言う「英語学習の素地を作りたい」の中身を「英語ノート」とそのマニュアルを熟読するにつけ、そのぬるま湯加減に驚くばかりです。

 

■楽しくなければ力が付かないことは真理なのですが、巨視的に観て、楽しいだけでは「力 = 使える英語力」は決してつかないのは、英語だけにとどまりません。国語力、社会常識、日本の文化、理科、算数…ありとあらゆる素養習得を絡めながら、器にすぎない道具としての英語力を磨く、生活年齢に合ったカリキュラムが必要です。曲がりなりにも実質1年半、新井小を舞台とした「化け物のような、ヌエ的巨大組織」を相手に精進させて頂けたことは、生涯の忘れえぬ思い出になりました。

 

■古澤校長は、教委と私との狭間に立ち、良く調整して下さいましたが、2010年度の途中、校長会からの批判をかわすことができず、結果として、竜頭蛇尾となり、2010年度後半の私は、アドバイザーの肩書だけとなって、実践の機会を奪われてしまったことは、悔しくないと言えば嘘になります。しかし、古澤校長は、今思えば、巨大なヌエ的公組織のしがらみの中で、よくぞ民間の名もない私を使ったものだと、皮肉ではなく、その勇気に敬服しています。

 

■嬉しい事に、私と触れ合った学級担任の中からI教諭のように私の考えに賛同し、私が主催している、「英語で仲間づくり」のM-PEC (Myoko Powerful English Club)にも入会されて、市民向けの M-PEC Festivalの英語劇で2回も配役として社会貢献なさった御仁もいらっしゃいます。

 

■今回の最終記事は、一瞥なさいますと上品にまとめてありますが、公教育の英語教育対処について、かなり痛烈に批判してございます。LL シホヤ新井教室講師歴37年目の感想として、ここに記録いたします。終わりに、私をいつも精神面で支えて下さっておられる橋口教授のお口癖:「謙虚に精進を!」を噛みしめながら、新たな出発を致します。関係者の皆皆様にお礼申し上げます。

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上越タイムス・関原支局長様からの礼状

From: 上越タイムス新井支局

To: Yoshy

Sent: Saturday, April 02, 2011 11:29 AM

Subject:お礼

遠藤様

 

 おもしろい連載ができたもんだと、自分では高く自己評価しています。内容は専門外の部分もあり、わからないところも多々あったのですが、遠藤さんに二十回も書いていただいたという「結果」には大満足しています。

 

 もちろん英語教育専門家のお一人として依頼させていただいたわけですが、地元市民の一人として、妙高市を愛する一人として、子どもたちの将来を真剣に考える一人として、書いてくださったことに意味があると思います。しかも20回も…。

 

 地域紙という新聞はわれわれ記者たちが作るのでなく、読む人自らが新聞製作に参画し、一緒に育てていける新聞でありたい、と思っています。

大新聞のように、会ったこともない聞いたこともない評論家の話しは耳を素通り(目を素通りですかね)していきます。だけど、知っている人が書いた文章であったり、知っている記者が書いた記事は、内容以上のものが伝わる場合もあると思います。遠藤さんをご存知の方は、文章を読みながら、日ごろの遠藤さんの言葉や考え方を思い出しているはずです。

 

 今回の連載を通して、遠藤さん以外の方から書かせてほしいとか書いてみたいといったお話しがあれば、自分の思うツボなのです。タイムスをうまく活用して、まちづくりに役立ててほしいと願っています。これは、入社したときから変わらぬ思いなのです。

 

 今後もアドバイスをお待ちしております。スペシャル企画として英語教育対談なんかもおもしろいと思いますよ。   

 上越タイムス 関原