上越タイムス#03 「積極的にコミュニケーションを図れる子供に」2009年5月20日(水)

報道陣からインタビュー中の古澤 正校長
報道陣からインタビュー中の古澤 正校長

■2008年4月、新井小校長室で着任されたばかりの古澤校長と雑談をしていました。私は出された茶飲み茶碗を示して、「西洋のカップには取っ手があるのに、日本のものはありませんね。子供たちは気付いているでしょうか?外国人に英語でその理由を話題にできたらいいですね」と言いました。すると校長先生は、「それですよ、遠藤さん。当校(うち)の子供たちには好奇心も柔軟な適応力もある。欲しいのは『自分の考えを積極的に表現しようとする態度』なんだよ。当校独自の英語活動に力を貸してくれませんか?」

 

■折しも、文科省は2011年度からの小学校高学年への英語活動が義務化されると発表したばかりで、その理念には、「言語や文化について理解を深め積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り(中略)、コミュニケーション能力の素地を養う」とありました。文科省の理念と運用上柔軟な通達に反しない限り、具体的な活動展開については、2009, 10の移行措置の間は、学校長の判断で学校独自のカリキュラムを実施できるのです。

 

■私は35年に渡って新井地区で主に幼稚園児から小中高校生相手に「使える英語力を身につけるために、英語でイキイキパワーを育みます」を理念として今も燃え続けています。私のこれまでの試行錯誤がお役にたてるなら遣り甲斐のある仕事です。英語のコミュニケーション力育成は、従来型の「知識偏重教育」ではどうにもならないところまできています。公教育はその重い腰を動かそうとしているのです。

 

■校長先生はすぐさま3名の英語通の職員を選任してプロジェクト・チームを立ち上げて下さいました。先ず取りかかったのは、カリキュラムづくりでした。その理念は、「世界の中の新井に生きる私の自覚」です。それが幹とすれば、大枝は、「日本と外国との生活、習慣、行事などの違いを知り、多様なものの見方や考え方があることに気づく」とこと、「英語でコミュニケーションを図る楽しさを体験する」の二つです。

 

■私たちチームは何度も討議を交わしながら実験的に3つの教案を作りました。昨年10月から5,6年すべてのクラスで実験授業を実施しました。私の友人、上教大のブラウン先生がALTとして友情参加して下さいました。その中で小枝と位置付けられるいくつかの課題が出てきました。次回からは、それらの課題をどう解決してきているのかを中心にご紹介して参ります。