上越タイムス連載#12 小学校英語で扱いたい内容・その1:フォニックス

■フォニックスとは、本来英語圏の子供たちのために開発された「英語の発音とスペルの関係を文字単位で教える」教育法です。例えば、アルファベットには、「名前」と「音」の二つがあること、代表的な母音、a,e,i,o,uの英語の発音、name, timeのように、eで終わる単語の最後から3番目の文字がa,e,i,o,uの場合、その文字はアルファベットの「名前」の読み方になる、ar (car, star), or(horse, corn), ir(girl, bird)のようにrが付いた母音の読み方…等12種類以上の規則があります。例外を気にする以上に、日本の子供達にも次の3つの効果が期待できます。①英語を正しく発音できる、②自力で英語を音読できる、③聞いた単語を書きとることができる。聞き話す力が素直な小学生の内に学習して欲しいと私は望んでいます。■野球に興味のある子なら、次の英語はキチンと発音できるでしょう。Giants, Tigers, Lions…飛行機に興味がある子なら、JAL, jet, sky…いわゆるカタカナ英語発音での、ジャイアンツ、ジャル…ではなく。テレビを中心とした音声メディアが英語のイントネーションで発音し、Tシャツや帽子、町の看板に英単語があふれているためでしょう。■アルファベットソング:abcdefg…は、幼稚園でも教えていますので、pandazooの文字を見た小学低学年でも、「ピーエイエンディーエイ」、「ズィーオーオー」と読める子が増えています。動物園が大好きな子なら、「パンダ」、「ズゥー」と正しい発音で読む子も最近は珍しくありません。■年齢に関係なく、興味のある単語なら、漢字、英語、フランス語…何語であれ、「音声が伴った一種のデザイン」のように見えるものです。感性豊かな小学生の内に、興味のある英語ならどんどんスペリングを見せたり書かせたりすべきです。■文科省は「負担になりやすいので、文字指導は中学で」と指導していますが、英米では、会話ができるようになる3歳児頃からフォニックスをクイズ式に教える親がほとんどだと、多くの外国の友人から聞いています。将来膨大な量の英単語に接する折、意味がわからなければ、発音で、ネイティブに、その意味を尋ねることができるのです。「cataはどんな音?」などとクイズ形式で楽しめるのも、論理思考になりきらない、感性豊かな小学生にとって有利な学習法です。■私は、もしも、この教授法をご存じないCRT(学教担任)がおられるなら、ご自身の英語力強化のためにも早急にマスターして頂きたいと願い、今年度の新井小CRTセミナーで講義させて頂く予定です。

2010.05.27(木) 上越タイムスに掲載
2010.05.27(木) 上越タイムスに掲載